2011年7月31日日曜日

ダイアナからケイトへプリンセスの「品格」

王妃様も大変ね~

世界中で“ダイアナ・フィーバー”を巻き起こした世紀の結婚から30年。4月29日、英国のウィリアム王子が、長年の交際相手とついに結婚した。労働者階級出身の“成り上がりプリンセス”に、英国社会の反応は――。
階級意識というのはやっかいなものだ。英王室はあらゆる意味で階級の頂点だと、普通は思うだろう。だが1981年、故ダイアナ元妃がまだダイアナ・スペンサーだったころ、こんな噂が流れた。スペンサー伯爵家、そして英国の歴史ある一族の多くは、英王室のウィンザー家を、英国の階級社会では自分たちよりはるかに格下だと思っているらしい、と。同家がウィンザーを名乗るようになったのはつい最近、1917年のこと。それ以前はハノーヴァー・サクス・コバーグ・ゴータ公家で、ハノーヴァー家のなかでは中流とみなされていた。対するスペンサー家は15世紀まで遡(さかのぼ)る名門で、昔からずっと「上流」だ。 

スペンサー家とウィンザー家のあいだに家柄の問題があるとしたら、英国の貴族社会はミドルトン家をどう思っていることだろう。ケイトの母方の祖父は建設作業員、祖母は販売員だった。そして母親は元客室乗務員。ウィリアムの友人たちは一時、ケイトが現れるたびに「ドアモードをマニュアルに変更してください」という機内アナウンスを真似してからかった。ただ、ケイトと婚約者には、自堕落な叔父がいるという共通点もある。ケイトの母親の弟は麻薬の売人で、売春斡旋の噂もある大金持ち。チャールズ皇太子の弟アンドルー王子は、リビアのパイパン大佐の息子と親しいことで有名だ。 

ケイトの生まれが卑しいとケチをつけるのは、ウィリアムの交際相手として彼女の名が登場して以来、英国社交界にとって格好の暇つぶしとなった。家柄に問題があるだけでなく、ケイトは仕事を持っていた。一般大衆向けの上品な高級ファッションブランド「ジグソー」で、アクセサリー部門のバイヤーをしていた。ケイトと妹のピッパは「藤のような姉妹」として知られていた。美しくて、香水のいい匂いがして、ひたすら上に伸びようとする上昇志向の強い女性。ともに結婚願望が強く、ブーヴィエ姉妹(ジャクリーン・ケネディ・オナシスとその妹)にも比された。 

客室乗務員の女性たちは、上流社会の厳格な審査を覚悟したほうがいい。2007年にウィリアムとケイトがいったん別れたとき、タブロイド紙は、エリザベス女王がケイトの母親の話しかたを気に入らなかったせいだと、いかにもありそうなネタで盛り上がった。最悪だったのは、女王に“Pleased to meet you.”と挨拶したことだという。後学のために説明しておくと、丁寧に“How do you do?”と言うべきだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿