2011年6月3日金曜日

変貌する新興国の需要と共有、そして教育

インドって整形ブームだったとはしらなかったぁ~


少数民族が暮らす山間の地方都市で整形手術が花盛りだという。
そのブームには、インド社会が抱える問題が映し出されている。

 
インド中部のチャッティスガル州ライプールといえば、何もない貧しい地方都市。だがこの町は“整形手術の聖地”という顔を持つ。

インドはじつは世界有数の整形手術大国。昨年発表されたレポートによると、同国は全世界の手術数の5.2%を占め、世界第4位。脂肪吸引や豊胸、二重まぶた、隆鼻など、あらゆる整形手術が行われている。

だが最近デリーなどの大都市では手術人口が減っている。それは都市部の患者が、手術費用の安い地方のクリニックに流れているためだ。同程度の治療なら半額くらいで受けられるという。都市部と地方の社会格差がそのまま価格差に跳ね返っているのだ。

ライプールで整形クリニックを開業するスニル・カルダ医師は「この地域で整形手術が繁盛するはずがないと昔は言われた。でもいまは英国や台湾の医師から治療例の問い合わせがくるようになっている」と自慢げに話す。

カルダ医師はこれまで5万件という信じられない数の手術をこなしてきた。整形治療は経験が圧倒的にものを言うため、欧米のクリニックからも照会が絶えないのだ。

もっとも、ライプールで手術件数が多いのは、たんに安いからだけではない。中部山間部の少数民族アディバシの制服客が多いからと見られている。アディバシはカースト制度の底辺に位置づけられ、差別されてきた歴史を持つ。クリニックでは、インド北部に多いアーリア人のように鼻を高くしてほしいと願うアディバシが多数訪れるという。

またアディバシには自らの出身を示すタトゥーを顔や体に彫る習慣がある。それが逆に都市部へ出稼ぎに行った際に差別を受ける理由になるので、消したいという要望が少なくない。彼らは整形手術後の自分の姿に、未来への希望を重ねているのだ。

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